那須高原を自転車で巡るポタリングは、雄大な那須連山を背景に、爽やかな高原の風を感じながら自分のペースで景色や観光スポット、グルメを満喫できる魅力的なアクティビティです。「ポタリング」とは、自転車でのんびりと散歩するように観光を楽しむライトなサイクリングのこと。那須エリアは変化に富んだコースと豊富な見どころがあり、初心者からベテランまで楽しめる自転車天国として人気を集めています。
栃木県北部に位置する那須は、東京から約150km、新幹線や東北自動車道を使えば2時間程度でアクセス可能な観光地。その魅力は何といっても、那須岳を中心とした山岳地帯から牧場が点在する高原エリア、そして里山の田園風景まで、多彩な景観が比較的コンパクトなエリアに凝縮されていることです。サイクリングルートも整備され、青い矢羽根マークの案内看板や休憩施設が随所に設けられ、サイクリストに優しい環境が整っています。
那須でのポタリングは、観光と運動を組み合わせた新しい旅のスタイルとして注目されています。特に近年は、電動アシスト自転車の普及により、体力に自信がない方でも那須の高低差のあるルートを楽しめるようになりました。地元の新鮮な牛乳や乳製品を使ったスイーツを味わいながら、牧場や温泉、美術館など多彩な立ち寄りスポットを巡れるのも魅力の一つです。
それでは、初めての那須ポタリングから、より本格的なサイクリングまで、その楽しみ方を詳しくご紹介していきましょう。

那須でポタリングを楽しむなら、初心者におすすめのコースは?
那須エリアには、初心者でも無理なく走れるコースから、上級者向けの本格的なヒルクライムコースまで様々なルートがありますが、ポタリング初心者の方には以下の2つのコースが特におすすめです。
1. 那須高原ファミリーコース(約21km)
那須ポタリング入門として最適なのが、この那須高原ファミリーコースです。全長約21.2km、所要時間は休憩を含めて1.5〜2時間程度で回れる短距離コースとなっています。最大の魅力は、標高差がわずか177mほどと平坦で、急な坂道がほとんどないこと。初めてのポタリングでも無理なく完走できるでしょう。
コースは「那須高原友愛の森」(道の駅)をスタート・ゴール地点とし、那須高原の雄大な景色を眺めながら一周する周回ルートです。特に「りんどうライン」と呼ばれる農道沿いには広大な牧草地が広がり、晴れた日には那須連山を望む絶景ポイントがいくつも点在しています。
立ち寄りスポットとしては、「那須テディベア・ミュージアム」や「那須りんどう湖LAKE VIEW」がおすすめ。特にりんどう湖では、アルパカやヤギなどの動物とのふれあい体験ができるほか、自家製の濃厚ジャージー牛乳ソフトクリームが絶品です。途中、「アイス工房ももい」で那須の新鮮な生乳を使ったジェラートを味わうのもポタリングの醍醐味といえるでしょう。
2. 芦野・伊王野里山ポタリング(約15km)
那須の歴史ある里山エリアをのんびりと巡るこのコースも、初心者に最適です。那須高原エリアの南東に位置する芦野・伊王野地区は、奥州街道の宿駅や東山道として栄えた歴史ある地域で、田園風景の中をゆったりと走れます。
西行法師や松尾芭蕉が訪れたことで知られる「遊行柳」近くの「遊行庵」を発着点として、比較的緩やかな傾斜の道を進みます。コース上には国指定重要文化財の「三森家住宅」や建築家・隈研吾氏設計の「石の美術館 ストーンプラザ」など、文化的な見どころが点在しています。
「道の駅 東山道伊王野」では巨大な水車で挽く蕎麦が名物で、サイクリングで空いたお腹を満たすのにぴったり。発着地点の「遊行庵」には「遊行茶屋」というカフェがあり、地元の食材を使った料理が楽しめます。電動アシストミニベロのレンタルも可能なので、手ぶらで訪れても安心です。
初心者向けのポイント
那須でのポタリングを初めて楽しむ際には、以下のポイントに気をつけると安心です:
- 道幅の広い県道や交通量の少ない農道が多いコースを選ぶ
- 那須エリアには自転車用の青い矢羽根マーク付きルート案内看板があるので、それに従って走行する
- 「那須高原友愛の森」などの道の駅をスタート地点にすると、トイレや休憩設備を利用できて便利
- こまめに水分補給と休憩をとる
- 電動アシスト自転車を活用すれば、坂道も楽に走れる
- 体力に不安がある場合は、短めのコース(10〜15km程度)から始める
那須には、初心者でも無理なく楽しめるコースが豊富に用意されていますので、自分のペースで那須の自然や文化を満喫しましょう。
那須ポタリングで立ち寄るべき絶景スポットとグルメは?
那須ポタリングの魅力は、ただ自転車で走るだけでなく、途中で立ち寄る絶景スポットや地元グルメを満喫できることです。那須エリアには様々な見どころがありますが、特におすすめのスポットとグルメをご紹介します。
絶景スポット
- りんどうライン沿いの牧草地
那須高原を走る農道「りんどうライン」沿いには、広大な牧草地が広がっています。特に晴れた日には那須連山を背景に雄大な景色を望めるフォトスポットが点在。緑の絨毯のような牧草地と青空のコントラストは、SNS映えする絶景です。春から夏にかけては新緑、秋は紅葉とシーズンごとに異なる風景が楽しめます。 - 南ヶ丘牧場からの眺望
入場無料で楽しめる観光牧場で、高台からは那須高原の大パノラマが広がります。のどかな牧場風景をバックに記念撮影するのもおすすめです。牧場内では動物とのふれあいも可能で、ポタリングの休憩にぴったりのスポットです。 - 遊行柳と周辺の田園風景
芦野地区にある歴史スポット「遊行柳」周辺は、のどかな田園風景が広がり、日本の原風景ともいえる美しい景観を楽しめます。西行法師や松尾芭蕉も訪れ、「奥の細道」にも登場する文学的にも価値のある場所です。周辺の田んぼに挟まれた農道を走ると、時間がゆっくり流れているような心地よさを感じられます。 - 峠の茶屋からの那須連山の眺め
中級者向けですが、那須岳峠の茶屋(標高1,462m)まで登れば、那須連山の絶景が目の前に広がります。雲海が見られることもあり、早朝ライドなら足元に広がる雲海と那須の山々という非日常的な景観を体験できるかもしれません。
グルメスポット
- アイス工房ももい
地元の新鮮な生乳を使った濃厚ながら後味さっぱりのジェラートが人気のお店です。季節のフルーツを使った限定フレーバーも豊富で、サイクリングで火照った体を冷やすのに最適。巨大な牛乳パックの看板が目印なので、ポタリング中に見つけやすいでしょう。 - SUDA COFFEE(スダコーヒー)
那須街道沿いの緑に囲まれた一軒家カフェで、地元サイクリストにも愛される人気店です。店先にはサイクルスタンドが備えられ、店内には自転車雑誌やジャージが飾られるなど、サイクリスト向けの配慮が嬉しいポイント。名物のたまごサンドと香り高いコーヒーは、エネルギー補給にぴったりです。朝8時から営業しているので、早朝ライドの際も利用できます。 - 森林の牧場カフェ
牧場直営のカフェで、那須でとれた新鮮な食材を使ったランチが楽しめます。特に「いのちのミートソース」パスタは名物で、濃厚なヨーグルトやソフトクリームも人気。テラス席からは牧場の景色を眺められ、那須の自然を感じながら食事ができる絶好のスポットです。 - 南ヶ丘牧場のゴールデンミルクソフト
ガーンジィ牛という希少種の牛から搾った「ゴールデンミルク」で作るプレミアムソフトクリームが絶品。濃厚なコクがありながら後味はすっきりとした味わいで、「1日5000個売れた」と雑誌で紹介されるほどの人気商品です。入場無料の牧場なので、気軽に立ち寄れるのも魅力です。 - 道の駅 東山道伊王野の水車そば
巨大な水車で挽いた蕎麦は、のど越しが良く風味豊か。ポタリングの小休憩や昼食に最適です。道の駅内では地元の新鮮野菜や特産品も販売されており、お土産探しにも便利です。
ポタリングでの立ち寄りポイント
ポタリング中に立ち寄る際には、以下の点に配慮するとより快適です:
- 自転車を停める際は、なるべくサイクルラックがある施設を選ぶ
- 自転車を視界から離す場合は必ず鍵をかける
- 混雑している観光スポットでは、自転車が邪魔にならないよう駐輪場所に注意
- 季節ごとの見どころを事前にチェックしておく(春の新緑、夏のひまわり畑、秋の紅葉など)
- グルメスポットは早めの時間に訪れると混雑を避けられることが多い
那須ポタリングでは、自然の絶景と地元の美味しいグルメを組み合わせることで、五感で那須の魅力を堪能できるのが特徴です。自分のペースで立ち寄りスポットを選びながら、オリジナルの那須旅を楽しみましょう。
那須でのポタリングに最適な季節と服装・持ち物は?
那須は四季折々の美しい風景を楽しめる地域ですが、ポタリングにはそれぞれの季節に応じた魅力と注意点があります。また、快適に走るための服装や持ち物も重要なポイントです。ここでは、季節ごとの特徴と、準備しておくべきアイテムについてご紹介します。
季節別の特徴と魅力
- 春(4月中旬〜6月)
雪解け後の新緑が美しい季節で、5月頃からポタリングに最適な気候になります。牧場では若草が芽吹き、りんどうライン沿いの風景も鮮やかな緑に包まれます。気温は昼間で15〜20度程度と過ごしやすいですが、朝晩は冷え込むことがあるので重ね着できる服装がおすすめです。「那須の春の和らぎ」をテーマに色とりどりの花々が咲き誇り、特に5月中旬〜6月上旬は那須フラワーワールドやハンターマウンテンでルピナスやネモフィラの花畑が見頃となります。 - 夏(7月〜8月)
那須高原は夏でも比較的涼しく、避暑地として人気です。標高が高い場所では日中でも25度前後と過ごしやすい気温が維持されることが多いです。ただし、日差しが強いので日焼け対策は必須。この時期は「南ヶ丘牧場」周辺のひまわり畑や「那須フラワーワールド」の夏の花々が見頃を迎え、色鮮やかな景色を楽しめます。夏休み期間中は観光スポットが混雑するので、早朝のポタリングがおすすめです。 - 秋(9月〜11月初旬)
那須でのポタリングに最も適した季節といえるのが秋です。9月中旬〜10月は気温も安定し、湿度も低く、爽やかな風を感じながら快適に走れます。特に10月中旬〜下旬は那須高原や山麓エリアが紅葉で彩られ、「りんどうライン」や「ロイヤルロード」は色とりどりの葉のトンネルとなります。「板室温泉」周辺や「八溝林道」も紅葉の絶景スポットです。この時期は朝晩の冷え込みが強くなるので、防寒対策が必要です。 - 初冬(11月中旬〜12月)
11月中旬を過ぎると紅葉も終わり、次第に冬の装いとなってきます。日によっては肌寒い日もありますが、晴れた日は空気が澄んで那須連山の眺めが特に美しい時期です。観光客も少なくなるので、静かな那須を楽しめます。ただし、12月に入ると雪が降ることもあるので、天候チェックは念入りに行いましょう。
服装のポイント
那須でポタリングを楽しむ際の服装は、季節や天候によって調整が必要ですが、基本的に以下のポイントを押さえておくとよいでしょう:
- レイヤリング(重ね着)を意識する
那須は標高差があり、同じ日でも場所によって気温差が大きいことがあります。薄手のウェアを何枚か重ねて着ることで、体温調節がしやすくなります。特に春秋は朝晩と日中の温度差が大きいので、脱ぎ着できる上着があると便利です。 - サイクルジャージやパンツは必須ではない
本格的なサイクルウェアがなくても、動きやすい服装であれば問題ありません。特に初心者なら、普段着の中から動きやすい服を選ぶだけでOKです。ただし、長時間走る予定なら、お尻の痛みを軽減するパッド入りのサイクルパンツは検討する価値があります。 - 季節別の服装目安
- 春・秋:長袖シャツ+薄手のジャケットや防風ベスト
- 夏:速乾性のあるTシャツやポロシャツ、UVカット機能のある長袖シャツも◎
- 初冬:防寒性のあるジャケット、手袋、ネックウォーマー
- 雨対策
天気予報で晴れていても、那須の山間部は天候が変わりやすいです。コンパクトなレインウェアを持っていくと安心です。
必須の持ち物
ポタリングを楽しむために、以下のアイテムは必ず準備しておきましょう:
- ヘルメット
安全のために必須アイテム。レンタサイクルショップでは自転車と一緒に借りられることが多いです。 - 水分
スポーツドリンクや水を入れたボトルは必携。夏場は特に多めに持ちましょう。 - スマートフォン(モバイルバッテリー)
地図アプリで現在位置確認や、トラブル時の連絡用に必須です。長時間の走行ならモバイルバッテリーも持参すると安心です。 - サングラス
日差しから目を守るだけでなく、虫や小さな飛石からも保護してくれます。 - 日焼け止め
夏だけでなく、春や秋でも日焼け対策は重要です。 - 着替え・タオル
汗をかいた後の着替えやタオルがあると、休憩時や観光時に快適です。
あると便利な持ち物
以下のアイテムはあると快適性が高まります:
- サドルバッグや小型バッグ
小物を収納できるバッグがあると便利です。 - 簡易工具・パンク修理キット
自転車に詳しい方は、簡単なメンテナンス用の工具やパンク修理キットを持っていくと万一の時に役立ちます。 - サイクルコンピューター
走行距離や速度がわかると、ペース配分がしやすくなります。 - 地図・ルートマップ
那須町観光協会などで配布している自転車マップがあると便利です。スマホのバッテリーが切れた時の備えにもなります。 - 現金
那須の田舎道では電子決済に対応していない小さなお店もあるので、ある程度の現金は持っておくと安心です。
那須でのポタリングは、春から秋まで楽しめますが、特におすすめは5月〜6月の新緑の季節と9月〜10月の紅葉の季節です。服装と持ち物をシーズンに合わせて準備し、天気予報も事前にチェックして、快適な那須サイクリングを満喫しましょう。
那須エリアでのレンタサイクル情報と料金相場は?
那須を訪れる際、自転車を持参するのが難しい方や、急に自転車で観光したくなった方のために、那須エリアには複数のレンタサイクル施設があります。ここでは、主要なレンタサイクル店の情報や料金相場、予約方法などをご紹介します。
主要なレンタサイクル施設
那須ブラーゼンベース
那須高原の中心部に位置するプロサイクルチーム「那須ブラーゼン」が運営するレンタサイクル施設です。ロードバイク、クロスバイク、マウンテンバイク、そして電動アシスト自転車まで幅広い種類の自転車を取り揃えています。プロが整備した高品質な自転車を借りられるのが魅力で、初心者向けのサイクリングツアーも開催しています。
ライドエクスペリエンス
那須町でガイド付きサイクリングツアーを専門に提供している施設です。レンタサイクルだけでなく、地元ガイドと一緒に那須の名所をめぐるツアーが人気。特に「那須里山ファームライド」「那須高原モーニングライド」などのテーマ別ツアーがおすすめです。初めて那須を訪れる方や、地元の穴場スポットを知りたい方に最適です。
遊行庵(芦野・伊王野エリア)
芦野の里にある「遊行庵」では、電動アシストミニベロのレンタルが可能です。芦野・伊王野里山ポタリングを楽しむならここがスタート地点として便利。隣接する「遊行茶屋」では地元食材を使ったカフェメニューも楽しめます。
那須町観光協会レンタサイクル
那須町観光協会では、電動アシスト自転車を中心にレンタルサービスを提供しています。観光案内と一緒に利用できるので、初めて那須を訪れる方にも安心です。
那須高原 SA サイクルステーション
東北自動車道の那須高原サービスエリア内にあるレンタサイクル施設です。高速道路を利用して那須に来る方にとっては非常に便利。シティサイクルが中心ですが、電動アシスト自転車もレンタル可能です。
レンタサイクルの料金相場
那須エリアでのレンタサイクル料金は、自転車の種類や貸出時間によって異なりますが、一般的な相場は以下の通りです:
- シティサイクル・ママチャリ
- 2時間:500円〜1,000円
- 4時間:1,000円〜1,500円
- 1日:1,500円〜2,000円
- クロスバイク
- 2時間:1,500円〜2,000円
- 4時間:2,000円〜3,000円
- 1日:3,000円〜4,000円
- 電動アシスト自転車
- 2時間:1,500円〜2,500円
- 4時間:2,500円〜3,500円
- 1日:3,500円〜5,000円
- ロードバイク・スポーツバイク
- 2時間:3,000円〜4,000円
- 4時間:4,000円〜6,000円
- 1日:6,000円〜10,000円
- マウンテンバイク
- 2時間:2,500円〜3,500円
- 4時間:3,500円〜5,000円
- 1日:5,000円〜8,000円
レンタサイクル利用のポイント
- 事前予約の重要性
特に週末や連休、紅葉シーズンなどの繁忙期は人気の自転車種が早めに予約で埋まることがあります。可能であれば事前予約をしておくことをおすすめします。 - 必要な持ち物
レンタル時には身分証明書(運転免許証など)が必要なことがほとんどです。また、デポジット(保証金)が必要な場合もあるので、現金も用意しておきましょう。 - 返却時間の厳守
多くの施設では遅延料金が発生するので、返却時間は厳守することが大切です。余裕を持ったスケジュールを組みましょう。 - コース選択のアドバイス
レンタル店のスタッフは地元の道に詳しいので、自分の体力や興味に合ったコース選びのアドバイスを求めるのもおすすめです。特に初めて那須を訪れる方は、地元のおすすめスポットを聞いておくと楽しさが倍増します。 - サイクリングツアーの活用
単なるレンタルではなく、ガイド付きのサイクリングツアーも検討する価値があります。特に「ライドエクスペリエンス」や「那須ブラーゼン」が提供するツアーは、地元ガイドならではの知識と安全面でのサポートが受けられるので安心です。 - 電動アシスト自転車のメリット
那須は場所によっては坂道があるので、体力に自信がない方や初めてのポタリングにチャレンジする方は、電動アシスト自転車を選ぶと無理なく観光を楽しめます。特にファミリーでポタリングを楽しむなら、電動アシスト自転車がおすすめです。
那須でのレンタサイクルは、観光の新しい楽しみ方として人気が高まっています。シーズンによっては予約が埋まることもあるので、計画的に利用することをおすすめします。また、多くの施設では自転車と一緒にヘルメットや簡易的な地図も貸し出してくれるので、手ぶらでも安心して那須のポタリングを楽しむことができるでしょう。
那須ポタリング中のトラブル対処法と安全に楽しむコツは?
那須でポタリングを楽しむ際、安全に走行するためのポイントと、万が一のトラブル時の対処法を知っておくと安心です。美しい景色に見とれがちですが、安全第一で楽しみましょう。
交通安全と走行のポイント
- 交通ルールの遵守
自転車も「車両」の一種であり、道路交通法が適用されます。車道の左側を走行し、一時停止や信号は必ず守りましょう。那須エリアの幹線道路(特に那須街道など)は交通量が多い箇所もあるので注意が必要です。 - ブルーラインの活用
那須エリアには自転車向けのブルーラインが引かれている道路があります。特に「全日本コース」と呼ばれるルート周辺には、左端にブルーライン(Champ Roadと呼ばれる)が描かれているので、そのラインに沿って走るとより安全です。 - グループ走行時の注意点
友人や家族と一緒に走る際は、縦一列で走行するのが基本。横に並んで走ると自動車の通行の妨げになり危険です。また、前の人の急な停止に備え、適切な車間距離をとりましょう。 - 下り坂での速度コントロール
那須には下り坂の気持ちいいルートもありますが、スピードの出し過ぎは危険です。特に「ロイヤルロード」などの下り坂では、ブレーキをこまめに使って安全な速度を保ちましょう。 - 天候の確認と対策
那須は山間部のため、天候が急変することもあります。出発前に天気予報をチェックし、雨具を持参するなどの対策をとりましょう。霧が出ることもあるので、視界不良時は無理をせず安全な場所で待機することも大切です。
よくあるトラブルと対処法
- パンクしてしまった場合
那須エリアでは「サイクルレスキュータクシー」というサービスがあります。このタクシーはサイクルキャリアとパンク修理用具を搭載しており、現地での修理やピックアップに対応してくれます。利用料金の目安は以下の通りです:
- パンク修理代:2,000円
- 出張費(最寄り営業所から10km以内):1,000円
- 出張費(最寄り営業所から10km超):2,000円
事前に連絡先を控えておくと安心です(那須町観光協会などで確認できます)。
- 体力の限界を感じた場合
那須の地形は予想以上に起伏があることがあります。無理は禁物です。体力的にきついと感じたら、次のような対処法があります:
- 近くの休憩ポイント(道の駅、カフェなど)で十分休憩する
- コースを短縮して引き返す
- 前述のサイクルレスキュータクシーを利用する(自転車ごと運んでもらえます)
- 道に迷ってしまった場合
那須の田舎道は似たような風景が続くことがあり、初めて訪れる方は迷うことも。スマートフォンのGPSマップを活用するのが一般的ですが、バッテリー切れに備えて紙の地図も持参するとよいでしょう。また、道の駅や観光施設では地図を配布していることが多いので活用しましょう。困ったときは地元の方に尋ねるのも大切です。 - 怪我や体調不良の場合
軽い擦り傷などは、コンビニや道の駅で絆創膏を購入して対応できますが、より重大な怪我や体調不良の場合は無理をせず、近くの医療機関を受診しましょう。那須町内には以下のような医療機関があります:
- 那須赤十字病院(那須町中央)
- 黒磯病院(那須塩原市)
緊急時は迷わず119番通報しましょう。
- 天候の急変(雷雨・強風など)
山間部では天候が急変することも。雷雨や強風の場合は、無理に走行せず、最寄りの建物(道の駅、コンビニ、カフェなど)で一時避難するのが賢明です。
安全に楽しむための準備と心構え
- 体調管理と無理のないプラン
自分の体力に合ったコース選びが重要です。初心者なら20km程度から始め、慣れてきたら徐々に距離を伸ばしましょう。また、前日の十分な睡眠と朝食をしっかり摂ることも大切です。 - 必要な情報の事前収集
那須町観光協会や那須ブラーゼンベースなどでは、自転車向けのマップを配布しています。事前に入手しておくと安心です。また、トイレや給水スポット、自転車修理ができる場所などをチェックしておくとよいでしょう。 - 「那須サイクルステーション」の活用
那須エリアには「那須サイクルステーション」と呼ばれる自転車ライダー向けの休憩スポットがあります。更衣室や工具が備わっており、空気入れなども利用できます。場所を確認しておくと便利です。 - サイクリング保険への加入検討
万が一の事故に備え、サイクリング保険への加入も検討するとよいでしょう。特に対人・対物賠償責任保険は重要です。TS保険やサイクリング協会の保険などがあります。 - 無理のないペース配分
ポタリングの醍醐味は、景色や立ち寄りスポットを楽しみながらのんびり走ること。タイムを気にせず、こまめに休憩をとりながら、マイペースで楽しみましょう。特に上り坂では無理をせず、必要に応じて自転車を押して歩くという選択肢も大切です。
初めての那須ポタリングでは、短めのコースから始めて徐々に慣れていくのがおすすめです。レンタサイクル店や観光協会のスタッフに相談すれば、自分の体力や経験に合ったコース選びをアドバイスしてもらえます。安全第一で、那須の美しい自然と地元の魅力を存分に楽しんでください。
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