マウンテンバイク(MTB)でのポタリングは、街中の小さな冒険から郊外の自然探索まで、あらゆる場所で楽しめる魅力的な自転車の楽しみ方です。スピードや距離を競うサイクリングとは異なり、ポタリングは気ままに、自分のペースで風景や景色を楽しみながら走ることが醍醐味。MTBの頑丈なフレームと太いタイヤは、舗装された道路はもちろん、未舗装の道や軽い山道でも安定した走りを可能にします。
日常のストレスから解放され、季節の移ろいを感じながら自然と一体になれるポタリング。「もっと遠くまで行ってみたい」「新しい景色を見てみたい」という好奇心を満たしてくれるのがMTBの魅力です。コロナ禍を経て、屋外での活動の価値が再認識され、MTBでのポタリング人口も増加傾向にあります。初心者からベテランまで、性別や年齢を問わず楽しめるアクティビティとして、多くの人々に親しまれています。
自転車専門店では「最近、ポタリング目的でMTBを探している人が増えています」という声も。人混みを避け、これまで行ったことのない場所を探索するツールとして、MTBが注目されているのです。街乗りにもオフロードにも対応できる汎用性の高さが、日常のちょっとした冒険を手軽に楽しめる理由です。
この記事では、MTBでポタリングを楽しむための基本知識から、バイクの選び方、楽しむコツ、カスタマイズ方法、必要な装備まで、様々な角度から解説していきます。自分だけの「ちょうどいい」MTBライフを見つけるヒントになれば幸いです。

マウンテンバイクはポタリングに向いている?その魅力と利点とは
マウンテンバイク(MTB)はその名の通り山道を走るために開発された自転車ですが、実はポタリングにも最適な特性を持っています。MTBがポタリングに向いている理由と、その魅力・利点を詳しく見ていきましょう。
MTBの乗り心地がポタリングにぴったりな理由
MTBの最大の特徴は、太いタイヤとサスペンションによる優れた衝撃吸収性です。これにより、舗装路の段差や未舗装路の凹凸も気にせず、長時間乗っていても疲れにくい乗り心地を実現しています。特に日本の道路事情を考えると、アスファルトの亀裂や歩道と車道の段差など、ちょっとした凹凸が多く存在します。MTBならそういった路面状態に左右されず、快適に走ることができるのです。
ある愛好家はこう語ります。「クロスバイクからMTBに乗り換えてから、路面の状態を気にしなくなりました。ガタガタ道も段差も、まるで絨毯の上を走っているような感覚です」
また、MTBの直立に近い乗車姿勢も長時間のポタリングに適しています。ロードバイクのような深い前傾姿勢ではないため、首や肩、腰への負担が少なく、景色を見渡しながらリラックスして走ることができます。
ポタリングの自由度を広げるMTBの汎用性
MTBの魅力は何といってもどんな道でも走れる汎用性にあります。舗装された道路はもちろん、砂利道や林道、公園の小道など、様々な路面に対応できるため、「あの道、どこに続いているんだろう?」という好奇心に素直に従って冒険できます。
「先週末は近所の公園から続く山道を発見して、そのまま進んでみたら素敵な景色のビューポイントにたどり着きました。クロスバイクやロードバイクでは絶対に行けなかった場所です」(40代男性)
この探検できる自由度こそがMTBポタリングの最大の魅力と言えるでしょう。計画された道だけでなく、その場の気分で寄り道したり、未知の小道に挑戦したりできる柔軟性は、ポタリングの醍醐味である「気ままさ」と相性抜群です。
MTBポタリングならではの楽しみ方
MTBでのポタリングは、単なる移動手段としてだけでなく、多様な楽しみ方ができます:
- 季節の移ろいを体感する自然探索:山間部や河川敷などでは、四季折々の風景を楽しめます。春の新緑、夏の木陰、秋の紅葉、冬の静寂など、季節ごとに異なる表情を見せる自然を、MTBなら安全に探索できます。
- ちょっとしたアドベンチャー:通常のサイクリングルートから少し外れた場所でも、MTBなら安心して走行できます。地図には載っていない小道や、地元の人しか知らない穴場スポットの発見など、日常に小さな冒険を加えることができます。
- 写真スポット巡り:MTBは停車や発進がしやすく、気になる景色を見つけたらすぐに停まって写真撮影ができます。インスタ映えするスポットを巡るフォトポタリングも人気です。
- グルメツーリング:郊外の隠れた名店や農産物直売所など、車では停めにくい場所にもMTBなら気軽に立ち寄れます。地元の味を楽しむグルメポタリングも魅力的です。
「週末のポタリングが生活のリズムになっています。仕事のストレスも忘れられるし、自分のペースで進めるので、プレッシャーもありません。何より、いつもと違う景色を見ると心がリフレッシュされます」(30代女性)
このように、MTBはポタリングの本質である「気ままに、自分のペースで楽しむ」という要素を最大化してくれる最適な相棒なのです。次に、そんなMTBを選ぶ際のポイントについて見ていきましょう。
マウンテンバイクでポタリングするときの選び方と注目ポイントは?
ポタリング目的でマウンテンバイクを選ぶ際には、レース用とは異なる視点が必要です。快適性、使いやすさ、メンテナンス性などを重視し、自分の使い方に合ったバイクを選びましょう。ここでは、MTBポタリングを楽しむための選び方と注目すべきポイントを解説します。
ポタリングに最適なMTBのタイプとサイズ
MTBには大きく分けてハードテイル(前輪のみにサスペンション)とフルサスペンション(前後輪にサスペンション)の2種類があります。ポタリング目的であれば、ハードテイルがおすすめです。理由は以下の通り:
- 軽量で取り回しやすい:フルサスペンションに比べて構造がシンプルで軽量なため、長時間乗っても疲れにくい
- メンテナンスが容易:サスペンションが少ない分、メンテナンスの手間やコストが抑えられる
- 価格がリーズナブル:同等グレードのフルサスペンションより安価なため、初期投資を抑えられる
- ペダリング効率が良い:舗装路や緩やかな未舗装路では、ペダルを踏み込んだ力がダイレクトに推進力に変わる
「最初はかっこいいからとフルサスを検討していましたが、実際の使い方を考えると、ハードテイルの方が私には合っていました。メンテナンスも簡単だし、街乗りからちょっとした林道まで幅広く使えています」(30代男性)
また、サイズ選びも重要です。試乗して以下の点をチェックしましょう:
- 地面に両足がしっかりつくか
- ハンドル位置が無理なく届くか
- 長時間乗っても姿勢が苦しくないか
- スタンドオーバーハイト(またぎの高さ)に余裕があるか
予算と相談!価格帯別おすすめMTB
ポタリング向けMTBは、予算に応じて選択肢があります:
5〜10万円台(エントリーモデル)
- 主にアルミフレームのハードテイル
- 基本的な機能を備えつつリーズナブル
- 街乗りからライトな未舗装路まで対応可能
- 例:TREK MARLIN 5、GIANT ATX、SPECIALIZED ROCKHOPPER など
10〜20万円台(ミドルレンジ)
- コンポーネント(変速機など)の品質が向上
- サスペンションの性能が良くなり乗り心地が改善
- より軽量で走行性能が向上
- 例:TREK X-CALIBER、GIANT TALON、CANNONDALE TRAIL など
20万円以上(ハイエンド)
- さらに軽量で高性能なコンポーネント
- 高級素材(カーボンなど)のフレームも選択可能
- より快適な乗り心地と高い走行性能
- 例:TREK PROCALIBER、SPECIALIZED CHISEL など
「最初は安いバイクから始めるつもりでしたが、長く使うことを考えて中級モデルを選びました。3年経った今でも不満なく使えていて、結果的に良い選択だったと思います」(40代女性)
ポタリングで重視すべき機能とパーツ
ポタリング向けMTBを選ぶ際に注目すべき機能やパーツについて解説します:
1. タイヤ
- サイズ:27.5インチか29インチが主流。小柄な方は27.5インチが扱いやすく、安定感を求める方は29インチがおすすめ
- 幅:2.0〜2.3インチ程度が街乗りからライトオフロードまでバランスが良い
- トレッド(溝)パターン:極端なノブ(突起)が少ないセミスリックタイプがポタリングには適している
2. サスペンション
- トラベル量(動く幅):80〜100mm程度あれば十分
- ロックアウト機能:舗装路ではサスペンションをロックできると効率的
3. 変速システム
- ギア数:1×10速や1×12速などのフロントシングル構成が、シンプルで使いやすい
- 変速レンジ:緩やかな上り坂も楽に登れる軽いギアがあるか確認
4. ブレーキ
- ディスクブレーキが望ましい(特に油圧式)
- 制動力が高く、雨天時でも安定した性能を発揮
5. アクセサリー取付対応
- ボトルケージの取付穴があるか
- キャリア取付用のダボ穴があるか
- フェンダー(泥除け)が取り付け可能か
「キャリアとフェンダーの取り付けができるマウンテンバイクを選んだおかげで、雨の日の通勤や買い物にも使えて重宝しています。ポタリング以外の用途も考えるなら、アクセサリー対応は必須ですね」(30代男性)
試乗の重要性と見落としがちなポイント
最後に、MTB選びで見落としがちな重要ポイントをご紹介します:
- 重量:日常的に持ち運ぶ機会があるなら、極力軽いものを選ぶ
- ハンドル幅:市街地で使うなら600mm以内が望ましい(道路交通法での規定)
- 乗車姿勢:あまりに前傾が強いと長時間のポタリングでは疲れやすい
- メンテナンス性:パーツの入手しやすさや整備のしやすさも考慮する
- 見た目:長く愛用するために、デザインやカラーも妥協しないことが大切
可能な限り実際に試乗して、乗り心地や取り回しの感覚を確かめることをおすすめします。専門店のスタッフに自分の使い方を伝え、アドバイスを求めるのも良いでしょう。
「オンラインで見た情報だけで選ぶのではなく、実際に乗ってみることで、想像していたのと違う発見がありました。結果的に当初検討していたものとは別のモデルを選びましたが、今では大満足です」(50代男性)
適切なMTBを選ぶことで、ポタリングの楽しさは何倍にも広がります。次章では、初心者でも安心してMTBポタリングを楽しむコツについて解説します。
初心者でも安心!マウンテンバイクでポタリングを楽しむコツとルートの選び方
マウンテンバイクを手に入れたら、いよいよポタリングの始まりです。ここでは、MTB初心者でも安心して楽しめるポタリングのコツとルート選びのポイントを解説します。難しいテクニックは必要ありません。自分のペースで少しずつ経験を積み重ねていくことが、長く楽しむ秘訣です。
はじめてのMTBポタリング:基本的な乗り方と注意点
MTBの基本的な乗り方は一般の自転車と変わりませんが、いくつか押さえておきたいポイントがあります:
基本姿勢と乗車フォーム
- サドルの高さ:ペダルを一番下にした時に、膝が軽く曲がる程度が基本
- グリップ:ハンドルは力まず軽く握る(握りすぎると手や腕が疲れる)
- 視線:前方5〜10メートル先を見るようにすると安定する
- ペダリング:つま先よりもやや踵寄りでペダルを踏むと長時間疲れにくい
初心者が知っておくべき注意点
- ギア操作:事前に平坦な場所でギアチェンジの感覚を掴んでおく
- ブレーキング:前後ブレーキを同時に軽く操作する習慣をつける
- 下り坂:サドルを少し下げると重心が安定し、安心して下れる
- 段差の越え方:アプローチ時に前輪を軽く持ち上げると安全に越えられる
「最初は難しく考えず、まずは公園など安全な場所で基本操作に慣れることから始めました。ギアチェンジやブレーキの感覚をつかむだけでも、その後のポタリングがずっと楽しくなります」(初心者MTBライダー)
安全に楽しむための装備と服装
安全で快適なMTBポタリングのために、最低限の装備を整えましょう:
必須アイテム
- ヘルメット:頭部保護のため必須(JCF(日本自転車競技連盟)推奨規格のものを)
- グローブ:手のひらの保護と滑り止め効果がある
- アイウェア:虫や小石、紫外線から目を守る
服装のポイント
- 上着:動きやすく、吸汗速乾性のあるもの(サイクルジャージが理想的)
- ボトムス:擦れにくい素材で、裾が巻き込まれない工夫を(裾バンドなど)
- 靴下:厚手のものやクッション性のあるものが疲労軽減に効果的
- シューズ:硬めのソールの靴が理想的(専用靴がなければスニーカーでも可)
あると便利なもの
- サイクルコンピューター:走行距離や速度が分かると達成感がある
- 小型バッグ:鍵や財布、スマホなど貴重品を収納できるもの
- ボトル:水分補給用(特に夏場は必須)
- 修理キット:最低限のパンク修理用品(長距離の場合)
「最初から全部揃えなくても大丈夫。まずはヘルメットだけは必ず用意して、少しずつ装備を増やしていけば良いと思います。私も今では少しずつコレクションが増えました」(30代女性)
初心者向け!安心ポタリングルートの選び方
初めてのポタリングでは、無理のないルート設定が大切です:
理想的な初心者ルートの条件
- 距離:慣れないうちは5〜15km程度から始める
- 地形:平坦または緩やかな起伏のある道
- 交通量:車の少ない道や自転車専用道が理想的
- 休憩ポイント:途中で休める場所がある
- 帰路の選択肢:疲れた場合に短縮できるルートがある
おすすめのルートタイプ
- 河川敷サイクリングロード:平坦で安全、景色も楽しめる
- 公園内のサイクリングコース:車の心配がなく安心
- 廃線跡を利用した遊歩道:勾配が緩やかで初心者に優しい
- 農道や田園地帯の道:交通量が少なく、のどかな景色を楽しめる
- 整備された林道:自然を感じられるが、舗装されていて走りやすい
「最初は家の近くの河川敷サイクリングロードから始めました。慣れてきたら少しずつ距離を伸ばしたり、ちょっとした未舗装路にも挑戦するようになりました。少しずつステップアップしていくのが楽しいですね」(40代男性)
ポタリングを100倍楽しむためのアイデア
MTBポタリングをより充実させるためのアイデアをご紹介します:
テーマのあるポタリング
- フォトポタリング:写真を撮りながら風景や季節の移ろいを記録する
- グルメポタリング:地元の名物や隠れた名店を巡る食べ歩き
- 歴史探訪ポタリング:史跡や古い街並みを巡る文化探訪
- 自然観察ポタリング:野鳥や植物など、自然を観察しながら走る
ポタリングの楽しみ方
- ソロポタリング:自分だけの時間を楽しむ贅沢な時間
- グループポタリング:友人や家族と一緒に楽しむ社交の時間
- イベント参加:地域のMTBポタリングイベントで新しい出会いを
スキルアップのためのアイデア
- 徐々に距離を伸ばす:体力に合わせて少しずつ走行距離を伸ばす
- 地形のバリエーションを増やす:少しずつ未舗装路や軽い上り坂にチャレンジ
- スキルアップ講習会:地元のショップが開催するMTB教室に参加する
「最初は単に走るだけだったポタリングも、テーマを持つと新しい発見があって楽しいです。私は地元の神社仏閣巡りをテーマにしていますが、知らなかった場所を見つける喜びがあります」(50代女性)
MTBポタリングの魅力は、自分のペースで少しずつ世界を広げられることです。初心者でも安心して始められ、徐々に技術や体力に合わせてステップアップしていける点が、長く続けられる理由の一つでしょう。次章では、ポタリングをより快適にするためのカスタマイズ方法について見ていきます。
マウンテンバイクをポタリング仕様にカスタマイズするおすすめの方法は?
マウンテンバイクは基本的にオフロード走行を想定して作られていますが、ポタリング目的なら快適性や実用性を高めるカスタマイズがおすすめです。ここでは、MTBをより快適なポタリング仕様にするためのカスタマイズ方法を紹介します。予算や用途に合わせて、自分だけの「ちょうど良い」MTBに仕上げていきましょう。
快適性を高めるカスタマイズ
長時間の乗車でも疲れにくく、景色を楽しみながら走れるように快適性を高めるカスタマイズから見ていきましょう:
サドル交換で座り心地改善
- 幅広サドル:ポタリングでは前傾姿勢が少ないため、やや幅広のサドルが快適
- クッション性:適度なクッション性があるものを選ぶ(例:Brooks、Selle Royal、Ergon等のブランド)
- 女性向けモデル:女性は骨盤形状に合わせた専用サドルがおすすめ
グリップ交換でハンドル握りの疲れを軽減
- エルゴノミックグリップ:手のひらを面で支えるタイプが長時間でも疲れにくい
- ロックオングリップ:緩みにくく、確実に固定できるタイプ
- 太さと素材:握りやすい太さと、滑りにくい素材を選ぶ
サスペンション調整で乗り心地向上
- 空気圧調整:体重に合わせて適切な空気圧に調整する
- リバウンド調整:路面からの戻りの速さを好みに合わせる
- ロックアウト機能:舗装路ではロックして漕ぎ効率を上げる
「サドルの交換だけで乗り心地が劇的に変わりました。最初は標準のサドルで痛みを感じていましたが、ポタリング向けの幅広サドルに変えてからは長時間乗っても快適です」(40代男性)
ポタリングの使い勝手を高める実用的カスタム
日常的にポタリングを楽しむために、実用性を高めるカスタマイズも重要です:
タイヤ交換で走りやすさアップ
- セミスリックタイヤ:中央部が滑らかで転がり抵抗が少なく、側面にはグリップ力のあるノブ(突起)があるタイプ
- 幅の最適化:極端に太いタイヤは不要なので、2.0〜2.3インチ程度が街乗りとライトオフロードのバランスが良い
- パンク防止機能:ライナーやシーラント入りタイプで耐パンク性を高める
キャリア・バッグ類の追加で荷物問題を解決
- リアキャリア:買い物やピクニック用品を運ぶのに便利
- フロントバスケット:小物を手軽に収納できる(取り外し可能タイプが便利)
- フレームバッグ:メインフレームの三角部分に取り付け、スマホや財布などを収納
- サドルバッグ:工具やチューブなど修理用品を収納
ライト・ベル・スタンドなど実用パーツの追加
- ライト:USB充電式の高輝度LEDライトが便利
- ベル:歩行者や他の自転車に存在を知らせる安全装備
- スタンド:駐輪時に便利(センタースタンドかサイドスタンドを選択)
- フェンダー(泥除け):雨上がりや水たまりでの汚れ防止に効果的
「MTBをポタリング仕様にカスタマイズしたら、通勤にも使えるようになって一石二鳥でした。タイヤをセミスリックにして、キャリアとフェンダーを付けただけで、実用性が格段に上がりました」(30代女性)
専門店に頼むべきカスタムと自分でできる簡単カスタム
カスタマイズには専門知識や工具が必要なものと、初心者でも簡単にできるものがあります:
専門店に頼むべきカスタム
- ハンドルカット:適切な幅に調整する作業(特に600mm以下にする場合)
- ドロッパーシートポスト取付:サドル高を走行中に調整できる便利アイテム
- ホイール組み換え:より軽く強度の高いホイールへの交換
- 変速システムのアップグレード:より使いやすいコンポーネントへの交換
- サスペンションのセッティング・オーバーホール:専門知識が必要な調整や整備
自分でも比較的簡単にできるカスタム
- グリップ交換:六角レンチひとつで作業可能
- サドル交換:クランプボルト1本で固定されているため交換が容易
- ライト・ベル取付:クランプ式で工具不要のものも多い
- タイヤ交換:基本的な工具さえあれば自分でも可能
- 携行品用マウント取付:スマホホルダーやボトルケージなど
- バッグ類の取付:ベルクロや専用ストラップで簡単装着
「最初はグリップとサドルを自分で交換してみました。成功体験がモチベーションになって、今ではタイヤ交換や細かい調整も自分でできるようになりました。少しずつスキルを身につけると、バイクへの愛着も深まります」(30代男性)
予算別おすすめカスタマイズプラン
予算に応じたカスタマイズプランを考えてみましょう:
予算3,000円以内の超お手軽プラン
- ボトルケージ+ボトル
- 簡易ベル
- フレームに取り付けるミニポーチ
予算10,000円程度の基本プラン
- 快適グリップへの交換
- ポタリング向けサドルへの交換
- USB充電式ライトセット(前後)
- 簡易サドルバッグ
予算30,000円程度の本格プラン
- セミスリックタイヤへの交換
- サドル+グリップの高級モデルへの交換
- 高輝度ライトセット
- リアキャリア+パニアバッグ
- フェンダー(泥除け)フルセット
予算50,000円以上の贅沢プラン
- ホイールセットのアップグレード
- ドロッパーシートポストの導入
- 高性能サスペンションへの交換
- 電動変速システムへのアップグレード
「いきなり全部揃えるのではなく、少しずつ必要なものから追加していくのがおすすめです。私も3年かけて理想のポタリング仕様に仕上げました。その過程も楽しいものです」(50代男性)
MTBをポタリング仕様にカスタマイズすることで、より快適に、より長く、より楽しく自転車ライフを続けることができます。次章では、ポタリングに必要な装備と持ち物について詳しく見ていきましょう。
マウンテンバイクでポタリングを楽しむための装備と持ち物ガイド
マウンテンバイクでのポタリングをより安全で楽しいものにするためには、適切な装備と持ち物が欠かせません。天候の変化や予期せぬトラブルに備え、必要なものを過不足なく準備しておきましょう。ここでは、ポタリングの距離や目的別に、おすすめの装備と持ち物をガイドします。
安全のために必ず用意したい基本装備
安全なポタリングのために、最低限用意しておきたい装備から見ていきましょう:
ヘルメットと保護具
- ヘルメット:転倒時の頭部保護に必須(自分の頭に合ったサイズを選ぶ)
- グローブ:手のひらの保護と滑り止め効果、長時間の振動から手を守る
- アイウェア:虫や小石、紫外線から目を守る(クリアレンズは暗い森などでも使用可能)
ライト類
- フロントライト:夕暮れや暗い道での視界確保(200ルーメン以上推奨)
- リアライト:後方からの車に自分の存在を知らせる(点滅モード付きが効果的)
- リフレクター:光を反射して夜間の視認性を高める
緊急対応用品
- 携帯電話:緊急連絡用(防水ケースやマウントがあると便利)
- 身分証明書:万一の時のために(健康保険証など)
- 緊急連絡先情報:スマホが使えない状況に備えてメモしておく
「ヘルメットは絶対に妥協したくないアイテムです。一度でも命を守ってくれたら元が取れると思って、自分に合ったものを選びました。見た目だけでなく安全規格もチェックして選ぶことをおすすめします」(40代男性)
目的別ポタリングの持ち物リスト
ポタリングの目的や距離に応じた持ち物リストを紹介します:
近所の散策(5〜10km程度)
- 水分(500ml程度のボトル)
- 鍵・財布・スマートフォン
- 簡単な修理キット(携帯ポンプ、パンク修理キット)
- タオルハンカチ
- 日焼け止め(季節による)
半日ポタリング(20〜30km程度)
- 水分(750ml以上のボトル、夏場は2本以上)
- 軽食・補給食(エネルギーバーなど)
- 基本の修理キット(上記+六角レンチセット、予備チューブ)
- 日焼け止め・虫除け
- 薄手の羽織もの(天候変化に備えて)
- モバイルバッテリー
- 小型の救急セット(絆創膏など)
一日ポタリング(50km以上)
- 十分な水分(1L以上、途中補給も考慮)
- お弁当・補給食(複数回の休憩を想定)
- 完全な修理キット(上記+チェーンツール、ワイヤー等)
- 着替え(特に汗をかく季節)
- 雨具(コンパクトなレインウェア)
- 地図やルート情報(紙媒体も念のため)
- 日焼け止め(こまめな塗り直し用)
- 常備薬(持病のある方)
「最初は荷物が多くなりがちですが、経験を積むと自分に本当に必要なものが分かってきます。私の場合、季節によって持ち物を微調整していますが、水分と簡単な修理キットだけは必ず持参しています」(30代女性)
季節別に注意したい装備と対策
四季折々の自然を楽しめるのがポタリングの魅力ですが、季節ごとの対策も必要です:
春のポタリング
- 服装:重ね着で調整できるよう準備(朝晩の冷え込みに注意)
- 花粉対策:マスクやメガネ、帰宅後の洗浄習慣
- 注意点:雨上がりの路面は滑りやすいので注意
夏のポタリング
- 服装:吸汗速乾素材の軽装、UV対策の長袖も検討
- 熱中症対策:十分な水分と塩分、涼しい時間帯の走行
- 注意点:休憩と水分補給をこまめに、無理をしない
秋のポタリング
- 服装:朝晩の冷え込みに対応できるウィンドブレーカーなど
- 装備:日没が早まるためライトの準備
- 注意点:落ち葉で滑りやすい箇所に注意
冬のポタリング
- 服装:重ね着とウインドブレーク素材の組み合わせ
- 装備:グローブは厚手のもの、ネックウォーマーも便利
- 注意点:凍結路面に注意、出発前のウォームアップを忘れずに
「寒い季節のポタリングは意外と楽しいものです。観光地や人気スポットも空いていて穴場です。ただし、防寒対策はしっかりと。特に手先と首元は重点的に温めることをおすすめします」(50代男性)
バッグの選び方と荷物の詰め方のコツ
ポタリングの荷物をどう運ぶかも重要なポイントです:
ポタリングに適したバッグの種類
- サドルバッグ:修理用品や貴重品を収納(6〜10L程度が使いやすい)
- フレームバッグ:メインフレームの三角部分に取り付け(スマホや小物に便利)
- ハンドルバーバッグ:ハンドル前に取り付け(地図やカメラなどすぐ取り出したいもの向け)
- バックパック:背負うタイプ(汗でベタつくのが難点だが大容量)
- パニアバッグ:キャリアに取り付けるタイプ(片側10〜20L程度、バランス良く左右に)
効率的な荷物の詰め方
- 頻度で分ける:よく使うものは取り出しやすい場所に
- 重さで分ける:重いものはなるべく車体の低い位置に(安定性向上)
- 防水対策:雨の可能性があればジップロックなどで二重保護
- 整理術:小分けポーチを活用して種類ごとに管理
- 余裕を持つ:全てのバッグを100%詰めず、多少の余裕を残しておく
「パニアバッグを導入してからポタリングの自由度が格段に上がりました。お弁当や飲み物、カメラなど余裕を持って持っていけるので、行動範囲が広がりました。バッグ選びも自転車選びと同じくらい大切だと思います」(40代女性)
必要な装備をしっかり準備することで、ポタリングはより安全で快適なものになります。最初から完璧を目指す必要はなく、経験を積みながら少しずつ自分に合った装備を揃えていくのがおすすめです。季節や行先、距離に合わせて持ち物を調整し、マウンテンバイクでのポタリングを思う存分楽しみましょう。
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