岐阜県は豊かな自然、歴史ある町並み、そして四季折々の絶景が楽しめる魅力的なエリアです。そんな岐阜の景観を最も効率的に、かつ趣深く楽しむ方法として近年注目を集めているのが「ポタリング」です。自転車で気ままに、のんびりと風景を楽しみながら走る——それがポタリングの醍醐味です。
岐阜県は変化に富んだ地形と多様な観光資源を持つため、初心者からベテランまで、様々なレベルのサイクリストが楽しめるポタリングスポットが豊富にあります。長良川沿いの爽やかな風を感じながらの走行、飛騨高山の古い町並みを巡るルート、美濃のうだつの上がる町並みでのタイムスリップ体験など、選択肢は無限大です。
また、岐阜県では近年サイクルツーリズムの推進にも力を入れており、レンタサイクルの充実やサイクリングマップの整備も進んでいます。四季を通じて楽しめる桜や紅葉などの自然景観、地元グルメとの組み合わせなど、ポタリングを通じて岐阜の魅力を再発見することができるでしょう。
これから、初心者向けのコース選びから、季節ごとの絶景スポット、必要な装備、立ち寄りたいグルメスポットまで、岐阜でのポタリングを100%楽しむための情報をお届けします。自転車に乗って、岐阜の新たな魅力を発見する旅に出かけましょう。

岐阜県でポタリングを楽しむならどこがおすすめ?初心者向けコース5選
岐阜県は地形や観光スポットが多様なため、ポタリング初心者から上級者まで楽しめるコースが豊富にあります。特に初心者の方には、比較的平坦で交通量が少なく、観光スポットが点在するコースがおすすめです。ここでは、初心者の方でも安心して楽しめる岐阜県内のポタリングコース5選をご紹介します。
1. 長良川リバーサイドコース(岐阜市)
特徴: 岐阜市の中心部を流れる長良川沿いのサイクリングロードは、最も人気のあるポタリングコースの一つです。平坦な道が続き、金華山や岐阜城を眺めながら爽快なサイクリングが楽しめます。
距離: 約10〜15km(岐阜公園〜長良川プロムナード往復)
見どころ:
- 岐阜公園(織田信長の居館跡、三重塔)
- 長良川うかいミュージアム(5月〜10月は鵜飼も見学可能)
- 川原町の古い町並み
- 金華山と岐阜城の眺め
グルメスポット:
- ラ・ルーナ・ピエーナ(川原町の古民家カフェ)
- 長良川デパート湊町店(地元特産品やクラフトビール)
- 緑水庵 川原町店(老舗和菓子店)
河川敷のサイクリングロードは歩行者と共用なので、スピードの出しすぎには注意が必要です。また、鵜飼シーズンは夕方以降に川原町周辺が混雑することがあります。初心者にとっては、安全で景色も楽しめる絶好のコースといえるでしょう。
2. 美濃市 うだつの上がる町並みコース(美濃市)
特徴: 江戸から明治時代にかけての商家が立ち並ぶ「うだつの上がる町並み」を中心としたコースです。美濃和紙の産地としても有名なエリアで、歴史と文化を感じながらのポタリングが楽しめます。
距離: 約5〜10km(町並み中心の散策)
見どころ:
- 美濃和紙あかりアート館
- 旧今井家住宅・美濃史料館
- 小倉公園(展望台からの眺め)
- うだつの上がる町並み保存地区
グルメスポット:
- HAPPA STAND(美濃和紙を使った内装のカフェ)
- 梅月(町並みにある老舗和菓子店)
- みの団子 みのてつ(地元で愛されるみたらし団子)
町並み保存地区内は道が狭い箇所があるので、観光客が多い時期は自転車を降りて押して歩くのがマナーです。坂道もほとんどなく、距離も比較的短いため、初心者でも無理なく楽しめるコースです。
3. 郡上八幡 水の城下町コース(郡上市)
特徴: 「水の城下町」として知られる郡上八幡は、美しい水路が町中に張り巡らされています。清らかな水の流れと歴史ある町並みを楽しみながらのポタリングが魅力です。
距離: 約5〜10km(町内中心)
見どころ:
- 宗祇水(名水百選第一号)
- やなか水のこみち
- いがわ小径
- 郡上八幡博覧館
- 郡上八幡城(※城へは坂道があります)
グルメスポット:
- そばの平甚(老舗そば店)
- さんぷる工房(食品サンプル体験もできるカフェ)
- 明宝ジェラート 郡上八幡店
城下町の風情が色濃く残る町中心部は比較的平坦ですが、郡上八幡城へ向かう場合は坂道があります。町中心部のみを巡るコースであれば、初心者でも無理なく楽しめます。水路が多いので、走行時は注意が必要です。
4. 飛騨古川 白壁土蔵コース(飛騨市)
特徴: 「飛騨の小京都」とも呼ばれる飛騨古川は、瀬戸川と白壁土蔵が続く美しい景観が魅力です。川には鯉が泳ぎ、静かで趣のある町でのポタリングが楽しめます。
距離: 約3〜5km(町並み中心の散策)
見どころ:
- 白壁土蔵街
- 円光寺
- 飛騨古川まつり会館
- 瀬戸川沿いの景観(泳ぐ鯉)
グルメスポット:
- 味処古川(郷土料理)
- 牧成舎(地元牛乳メーカーのアイスクリーム)
- 蕪水亭 OHAKO(おしゃれなカフェ)
比較的コンパクトな町で、距離も短く平坦な道が多いため、初心者にも最適なコースです。瀬戸川沿いは道幅が狭い箇所があるので、歩行者に注意しながらの走行が必要です。静かな町なので、マナーを守って散策しましょう。
5. 木曽三川公園コース(海津市)
特徴: 木曽川、長良川、揖斐川の三川が集まるエリアにある広大な国営公園でのポタリングコースです。季節の花々や広々とした景色を楽しみながら、のんびりとサイクリングができます。
距離: 約5〜15km程度(公園周辺を自由に散策)
見どころ:
- 木曽三川公園センター(展望タワー、大花壇)
- アクアワールド水郷パークセンター
- 船頭平閘門(重要文化財)
グルメスポット:
- 木曽三川公園センター内の軽食コーナー
- クレール(地元で人気のパン屋)
- 千代保稲荷神社周辺(少し足を延ばせば食べ歩きスポット)
公園内は平坦な道が多く、安全に走行できるため、家族連れや初心者に最適です。広大な公園なので、自分のペースでのんびりと景色を楽しむことができます。場所によっては日陰が少ないエリアもあるので、夏場は暑さ対策が必要です。
これらのコースはいずれも比較的平坦で、交通量も少なめ、見どころも多いため初心者の方でも安心して楽しめます。最初は短い距離から始めて、徐々に慣れていくのがおすすめです。また、どのコースでもヘルメットの着用や交通ルールの遵守など、安全面には十分注意しましょう。
ポタリングと通常のサイクリングの違いは?岐阜で始める際の基礎知識
「ポタリング」という言葉を聞いたことはあっても、サイクリングとの違いがよくわからないという方も多いのではないでしょうか。ここでは、ポタリングの基本概念から岐阜で始める際に知っておきたい基礎知識までをご紹介します。
ポタリングとは?
ポタリングとは、英語の「potter(ぶらつく、のんびりする)」に「-ing」をつけた和製英語で、「目的地を決めずにぶらぶらと散歩するように自転車を楽しむこと」を指します。競争や記録更新などを目的としない、ゆったりとした自転車の楽しみ方です。
サイクリングとポタリングの違い
項目 | サイクリング | ポタリング |
---|---|---|
目的 | 運動、トレーニング、距離・タイムの目標達成 | 風景を楽しむ、観光、気分転換 |
スピード | 比較的速い | ゆっくり、のんびり |
距離 | 長距離(数十km〜数百km) | 短〜中距離(5〜20km程度) |
装備 | 専用ウェア、ヘルメット、グローブなど | 普段着でもOK(ヘルメットは推奨) |
自転車 | ロードバイク、クロスバイクなど専用車種 | ママチャリ、シティサイクルでもOK |
計画性 | ルート、休憩場所など事前計画あり | 行き当たりばったりでもOK |
ポタリングは「自転車での散歩」と考えると理解しやすいでしょう。お気に入りの景色に出会ったら立ち止まって写真を撮ったり、気になるカフェに立ち寄ったり、予定にとらわれない自由な楽しみ方ができるのが魅力です。
岐阜でポタリングを始める際の基礎知識
1. 岐阜県の地形と特徴
岐阜県は北部の飛騨地方と南部の美濃地方に大きく分かれます。
- 飛騨地方:北アルプスの山々に囲まれた高山市、飛騨市などがあり、山間部が多く起伏のある地形です。古い町並みや温泉地が多いのが特徴です。
- 美濃地方:岐阜市、大垣市などがあり、比較的平坦な地形が広がります。木曽三川(木曽川、長良川、揖斐川)が流れる水の豊かな地域です。
初心者の方は、まず平坦な美濃地方でポタリングを始め、慣れてきたら飛騨地方にも挑戦するのがおすすめです。
2. 岐阜県のレンタサイクル情報
岐阜県内の主なレンタサイクルスポット:
- JR岐阜駅南口:1日100円で利用可能(9:00〜19:00、冬季は18:00まで)
- 高山市:「まちなか観光自転車」が市内数カ所で貸し出し(1回200円)
- 郡上八幡:観光案内所などで貸し出し(3時間500円程度)
- 美濃市:うだつの上がる町並み周辺で貸し出し(2時間300円程度)
観光地の多くではレンタサイクルのサービスがあるので、自転車を持っていない方でも手軽にポタリングを楽しむことができます。
3. 気候と季節に合わせたポタリング
岐阜県は内陸に位置するため、季節による気温差が大きいのが特徴です。
- 春(3月〜5月):桜のシーズンは絶好のポタリング時期。ただし花粉症の方は注意が必要です。
- 夏(6月〜8月):高温多湿になるため、朝夕の涼しい時間帯に走行するのがおすすめ。熱中症対策は必須です。
- 秋(9月〜11月):最もポタリングに適した季節。紅葉スポットを巡るルートが人気です。
- 冬(12月〜2月):特に飛騨地方は積雪が多いため注意が必要。美濃地方の平野部は比較的穏やかな気候です。
4. 初心者におすすめの自転車
ポタリングには特別な自転車は必要ありませんが、より快適に楽しむなら以下のタイプがおすすめです:
- シティサイクル:普段使いの自転車でもポタリングは十分楽しめます。
- クロスバイク:軽量で舗装路を快適に走行できる万能タイプ。初心者に最適で、価格も5万円前後からとリーズナブル。
- 電動アシスト自転車:坂道の多い地域や体力に自信がない方におすすめ。最近は観光地でのレンタルも増えています。
5. 安全対策とマナー
- ヘルメットの着用:法律での義務はありませんが、安全のために着用を強く推奨します。
- 交通ルールの遵守:自転車も車両の一種です。信号や一方通行などの交通ルールを守りましょう。
- 観光地でのマナー:混雑している観光地では自転車を降りて押して歩くなど、周囲への配慮が大切です。
- 天候チェック:出発前に天気予報を確認し、雨具の準備や計画の見直しを行いましょう。
ポタリングの魅力は、その手軽さと自由度の高さにあります。難しいテクニックや高価な装備は必要なく、気軽に始められるのが最大の特徴です。岐阜県の美しい景色や地域の魅力を自転車でゆっくりと味わってみてください。
岐阜のポタリングで季節ごとに楽しめる絶景スポットとは?
岐阜県は四季折々の美しい景色が楽しめる県です。春の桜、夏の清流、秋の紅葉、冬の雪景色など、季節ごとに異なる表情を見せてくれます。ここでは、ポタリングで訪れたい岐阜県内の季節別絶景スポットをご紹介します。
春(3月〜5月):桜と新緑の季節
1. 霞間ヶ渓(かまがたに)【大垣市】
大垣駅から約10.5kmの距離にある山間の桜の名所です。山肌に咲き誇る山桜が美しいパッチワークを描き出す景観は圧巻です。大垣駅からのアクセスも比較的良好で、田園風景を眺めながらのポタリングを楽しめます。
ポタリングポイント: 大垣駅から霞間ヶ渓までの道中には「雲上の桜」や「大島堤サイクリングロード」など、知る人ぞ知る桜スポットも点在しています。観光客も比較的少なく、ゆったりとしたお花見ポタリングが楽しめます。
2. 奥飛騨温泉口駅周辺【飛騨市】
「レールマウンテンバイク Gattan Go!!」の出発駅として知られる奥飛騨温泉口駅は、実は地元で人気の桜スポットです。3月下旬から4月中旬にかけて桜が見頃を迎え、廃線サイクリングと桜を同時に楽しむことができます。
ポタリングポイント: 奥飛騨温泉口に隣接する古民家カフェ「ICHI MARU ICHI」で休憩するのがおすすめです。桜シーズンには限定メニューも楽しめます。
3. 岐阜公園と長良川堤【岐阜市】
岐阜市のシンボル・金華山を背景に、岐阜公園の桜並木と長良川堤の桜が美しい風景を作り出します。市街地からのアクセスも良く、初心者にも優しいコースです。
ポタリングポイント: 長良川沿いのサイクリングロードを走れば、岐阜公園から鵜飼観覧船の発着場まで約3kmの桜のトンネルを楽しむことができます。
夏(6月〜8月):清流と緑の季節
1. 長良川と鵜飼い【岐阜市】
夏の岐阜といえば長良川の鵜飼い。5月から10月(特に夏場)にかけて行われる伝統漁法で、その幻想的な風景は夏の風物詩として人気です。
ポタリングポイント: 夕方に長良川沿いをポタリングしながら、鵜飼いの準備風景を眺めるのもおすすめです。日が暮れてくる頃、川面に映る篝火の光景は格別です。
2. 飛水峡【郡上市】
郡上市の長良川上流に位置する渓谷で、夏でも涼しさを感じられる隠れた名所です。透明度の高い清流と奇岩が織りなす景観は、夏のポタリングには最適です。
ポタリングポイント: 郡上八幡からのルートは一部アップダウンがありますが、途中の田園風景も美しく、涼を求める夏のポタリングにぴったりです。渓谷周辺には休憩スポットもあります。
3. 養老公園【養老町】
養老の滝を中心とした公園は、夏でも木陰が多く涼しさを感じられるスポットです。「養老天命反転地」という不思議なアート空間も併設されており、ユニークな体験ができます。
ポタリングポイント: 公園内は起伏があり、一部坂道も多いですが、電動アシスト自転車を利用すれば快適に巡ることができます。養老の滝までの道は木陰が多く、真夏でも心地よいライドが楽しめます。
秋(9月〜11月):紅葉と実りの季節
1. 曽木公園【美濃加茂市】
美濃加茂市にある紅葉の名所で、約1,000本のモミジが色づく様子は圧巻です。木曽川沿いの比較的平坦なルートで、初心者も安心してポタリングが楽しめます。
ポタリングポイント: 美濃加茂市街からのアクセスも良く、中山道太田宿や日本昭和村など、他の観光スポットと組み合わせたルートも人気です。
2. 臥龍桜と飛騨の山々【高山市】
春に桜で有名な臥龍桜ですが、実は周辺の山々の紅葉も美しく、秋のポタリングスポットとしても人気です。飛騨一宮にある荘川桜も、背景の山々の紅葉と合わせて楽しめます。
ポタリングポイント: 高山市街から少し足を延ばし、北アルプスの雪を頂いた山々と紅葉のコントラストを楽しむルートがおすすめです。距離はありますが、景色の変化が豊かで飽きることがありません。
3. 岐阜県百年公園【関市】
関市にある広大な公園で、約200種類、4万本の木々が色づく様子は圧巻です。園内には日本庭園や展望台もあり、様々な角度から紅葉を楽しむことができます。
ポタリングポイント: 公園内の遊歩道は自転車で走れる区間も多く、アップダウンもありますが電動アシスト自転車なら問題なく巡ることができます。展望台からは金華山や伊吹山も望めます。
冬(12月〜2月):雪景色と静寂の季節
1. 飛騨古川の白壁土蔵【飛騨市】
飛騨古川の白壁土蔵街は、雪が積もると一層風情が増します。瀬戸川沿いの白壁と雪のコントラストは、まるで絵画のような美しさです。
ポタリングポイント: 冬季は路面状況に注意が必要ですが、雪が少ない日を選べば、静かで趣のある冬景色を楽しむポタリングが可能です。温かい格好と滑り止め対策を忘れずに。
2. 郡上八幡の雪景色【郡上市】
「水の城下町」として知られる郡上八幡は、雪化粧をすると水路と白い景色が美しいコントラストを作り出します。人気観光地ですが、冬は比較的閑散としており、ゆったりとポタリングが楽しめます。
ポタリングポイント: 積雪時はポタリングが難しい場合もありますが、晴れた日の雪解け後や軽い雪の日なら、城下町の冬景色を堪能できます。温かいカフェで休憩しながらのんびり巡るのがおすすめです。
3. 木曽三川公園【海津市】
冬は特に人が少なく、広々とした風景と澄んだ空気を独り占めできるスポットです。木曽三川の広大な水面と冬の空のコントラストが美しく、展望タワーからの眺めは格別です。
ポタリングポイント: 美濃地方の平野部は積雪が少なく、比較的冬でもポタリングがしやすいエリアです。ただし、河川敷は風が強いことがあるので、防寒対策は十分に行いましょう。
四季を通じて楽しめるスポット
1. 飛騨高山の古い町並み【高山市】
飛騨高山の「さんまち」と呼ばれる古い町並みは、四季を通じて異なる表情を見せてくれます。桜、新緑、紅葉、雪景色と、一年を通して訪れる価値があります。
ポタリングポイント: 観光シーズンは混雑するため、早朝のポタリングがおすすめです。古い町並みエリアは歩行者優先なので、自転車を降りて押して歩くマナーを守りましょう。
2. 恵那峡【恵那市】
木曽川に作られた人造湖・恵那峡は、四季折々の景色が湖面に映り込み、美しい風景を作り出します。湖畔には奇岩や怪石が連なり、サイクリングで巡るには絶好のロケーションです。
ポタリングポイント: 湖畔沿いのルートはアップダウンがあるため、体力に自信のない方は電動アシスト自転車がおすすめです。休憩スポットも多く、景色を楽しみながらのポタリングに最適です。
岐阜県は南北に長く、地形や気候も多様なため、一年を通して様々な景色が楽しめます。特に美濃地方と飛騨地方では季節の移り変わりの時期も異なるため、同じ季節でも地域によって違った景色を楽しむことができるのも魅力です。季節ごとの絶景を求めてポタリングの計画を立ててみてはいかがでしょうか。
岐阜でポタリングするときの持ち物や服装は?初心者が揃えるべき装備
ポタリングは特別な装備がなくても楽しめるのが魅力ですが、より快適で安全なサイクリングを楽しむためには、基本的な装備を整えておくことをおすすめします。特に岐阜県は地形や気候の変化が大きいため、状況に応じた準備が大切です。ここでは、岐阜でポタリングを始める初心者の方向けに、必要な持ち物や服装についてご紹介します。
基本の持ち物
1. 安全装備
- ヘルメット: 万が一の転倒時に頭部を守る最も重要な装備です。法律上の義務はありませんが、安全のために必ず着用しましょう。
- グローブ: 手のひらを保護し、長時間のライドでも手の痺れを軽減します。夏は通気性の良いもの、冬は防寒機能のあるものを選びましょう。
- サングラス: 強い日差しや虫、風からの目の保護に役立ちます。クリアレンズのものは曇りの日や薄暗い時間帯にも使えます。
- 反射材・ライト: 夕方や夜間の走行時には、自分の存在を知らせるためのライトや反射材が必須です。
2. 携行品
- 修理用具セット: パンク修理キット、携帯ポンプ、六角レンチなどの簡単な工具があると安心です。
- スマートフォン: 地図アプリでのナビゲーションや緊急時の連絡用に。防水ケースやハンドルバーマウントがあると便利です。
- モバイルバッテリー: 長時間のポタリングではスマホの電池が心配。予備電源があると安心です。
- 鍵: 自転車を離れる際に必要です。丈夫なU字ロックやチェーンロックがおすすめです。
- 財布・保険証: 飲食や買い物のためのお金、そして万が一の時のための保険証は必ず携帯しましょう。
- タオル: 汗を拭いたり、急な雨で自転車を拭いたりするのに便利です。
3. 快適性を高める装備
- サイクルコンピューター: 走行距離や速度、時間などを記録できる装置です。初心者は必須ではありませんが、あると楽しみが増えます。
- ボトルとボトルケージ: 水分補給は非常に重要です。自転車に取り付けられるボトルケージとボトルがあると便利です。
- サドルバッグやフロントバッグ: 修理用具や小物を収納するのに便利なバッグです。自転車に取り付けるタイプで走行の邪魔になりません。
- フェンダー(泥除け): 雨上がりや水たまりを通過する際に、泥はねを防いでくれます。
服装選びのポイント
1. 基本的な服装
- アウター: 季節や天候に合わせて選びましょう。夏は通気性の良い薄手のもの、冬は防風・防寒機能のあるものが理想的です。
- トップス: 動きやすく汗を吸収・発散する素材のものがおすすめです。サイクルジャージは必須ではなく、普段着のTシャツでも大丈夫です。
- ボトムス: 長時間のライドでは、お尻の痛みを軽減するパッド入りのサイクルパンツが便利ですが、初心者なら動きやすいジョガーパンツやストレッチの効いたパンツでも十分です。
- 靴下と靴: かかとの厚い靴下とペダルを踏みやすい平底の靴が基本です。サイクリングシューズは必須ではありませんが、しっかりとした靴底のスニーカーがおすすめです。
2. 季節ごとの服装の工夫
春(3月〜5月)
- 朝晩の冷え込みに対応できるように、脱ぎ着しやすい薄手のジャケットや長袖シャツを重ね着する「レイヤリング」がおすすめです。
- 花粉対策として、マスクやバンダナなどで口元を覆うと良いでしょう。
夏(6月〜8月)
- 岐阜の夏は非常に暑くなるため、通気性と速乾性に優れた素材の服装を選びましょう。
- 日焼け対策として、UVカット機能のある長袖シャツやアームカバーも便利です。
- 熱中症予防のため、こまめな水分補給ができるよう準備しましょう。
秋(9月〜11月)
- 朝晩の気温差に対応できるよう、重ね着スタイルが基本です。
- 風が強くなる季節なので、風を通しにくい素材のジャケットやベストがあると便利です。
冬(12月〜2月)
- 特に飛騨地方は冷え込みが厳しいため、しっかりとした防寒対策が必要です。
- ベースレイヤー(肌着)、ミドルレイヤー(保温層)、アウターレイヤー(防風・防水層)の3層構造が基本です。
- 手袋、耳あて、ネックウォーマーなども寒さ対策に有効です。
3. 岐阜の地形に合わせた服装選び
- 飛騨地方(山間部): 標高が高く気温変化が大きいため、脱ぎ着しやすい重ね着スタイルが必須です。特に朝晩の冷え込みに対応できるよう準備しましょう。
- 美濃地方(平野部): 夏は非常に暑く、冬は「伊吹おろし」という冷たい風が吹くことがあります。季節に合わせた対策が必要です。
初心者向けの予算別おすすめ装備
予算5,000円以内で揃えるなら
- ヘルメット(2,000円〜)
- グローブ(1,000円〜)
- ボトル(500円〜)
- 反射バンド(500円〜)
- 簡易工具セット(1,000円〜)
予算15,000円以内で揃えるなら
上記に加えて:
- 動きやすいパンツ(3,000円〜)
- ライト前後セット(3,000円〜)
- サドルバッグ(2,000円〜)
- パンク修理キット(1,000円〜)
予算30,000円以内で揃えるなら
上記に加えて:
- 防風・防水機能付きジャケット(8,000円〜)
- サイクルコンピューター(5,000円〜)
- サイクルパンツ(5,000円〜)
ポタリング初心者のための装備チェックリスト
□ ヘルメット □ グローブ □ サングラス □ 動きやすい服装 □ 履きやすい靴 □ 飲み物(ボトル) □ 財布・保険証 □ スマートフォン □ 簡易修理キット □ タオル □ 日焼け止め(春夏) □ 防寒具(秋冬) □ ライト(夕方以降の走行時)
ポタリングは、高価な装備や特別な服装がなくても気軽に始められるのが魅力です。まずは手持ちのもので始め、徐々に快適性を高める装備を揃えていくのがおすすめです。安全に関わる装備(ヘルメット、ライトなど)は優先的に整え、楽しく安全なポタリングを心がけましょう。岐阜の多様な風景を、自分のペースで気ままに楽しんでください。
岐阜のポタリングで立ち寄りたいグルメスポットおすすめ10選
ポタリングの楽しみの一つは、自転車でしか出会えない地元の美味しいグルメとの出会い。岐阜県は飛騨牛や朴葉みそ、五平餅などの郷土料理から、古い町並みのカフェ、新鮮な地元野菜を使ったレストランまで、多彩な食の魅力に溢れています。ここでは、ポタリング途中に立ち寄りたい岐阜県内のグルメスポットをエリア別にご紹介します。
岐阜市周辺グルメスポット
1. ラ・ルーナ・ピエーナ(川原町)
特徴: 岐阜市の風情ある川原町にある古民家カフェ。季節のフルーツを使ったケーキや自家製ジェラートが人気です。長良川を眺めながらのんびりとした時間を過ごせます。
おすすめメニュー:
- 季節のタルト
- 自家製ジェラート
- イタリアンランチセット
アクセス: 長良川サイクリングロードから川原町エリアに入り、細い路地を少し進んだところにあります。自転車は店の前に置けますが、混雑時は近くの駐輪スペースを利用しましょう。
ポタリングポイント: 長良川沿いのサイクリングの休憩ポイントとして最適です。川原町の古い町並みと合わせて楽しめます。
2. 長良川デパート湊町店
特徴: 岐阜の地元食材や特産品を集めた小さなマーケット兼カフェ。地元の醸造所のクラフトビールや岐阜の特産品が揃い、カフェスペースもあります。
おすすめメニュー:
- 地元クラフトビール
- 朴葉みそ定食
- 鮎の塩焼き(季節限定)
アクセス: 長良川沿いの川湊町にあり、サイクリングロードからアクセス良好です。自転車を停める場所もあります。
ポタリングポイント: 地元の味を知りたいポタリング愛好家にぴったり。ビールと朴葉みそのランチは疲れた体を癒してくれます。
美濃市・関市グルメスポット
3. HAPPA STAND(美濃市)
特徴: 美濃和紙の産地・美濃市にあるカフェ。店内の美濃和紙を使った内装が特徴的で、地元食材を使ったメニューや抹茶ドリンクが人気です。
おすすめメニュー:
- 美濃抹茶ラテ
- 和紙カステラ
- 季節の野菜のキッシュ
アクセス: うだつの上がる町並み保存地区内にあり、ポタリングの中継地点として最適です。自転車は店の前に駐輪できます。
ポタリングポイント: 美濃市のうだつの上がる町並みを散策した後の休憩に。美濃和紙の文化も感じられる空間で、心身ともにリフレッシュできます。
4. 辻屋(関市)
特徴: 関市の名物「関の鯉料理」と「鮎料理」が楽しめる老舗料亭。刃物の町・関市の中心部に位置し、歴史ある建物も見どころです。
おすすめメニュー:
- 鮎の塩焼き(夏季)
- 鯉のあらい
- 五平餅
アクセス: 関市の中心部にあり、関鍛冶伝承館からも近くにあります。自転車は店の専用駐輪場に停めることができます。
ポタリングポイント: 関市の刃物文化を巡るポタリングの昼食に最適。本格的な郷土料理を味わえます。
飛騨地方グルメスポット
5. こって牛(高山市)
特徴: 飛騨高山の古い町並みにある飛騨牛専門店。贅沢な飛騨牛握り寿司が名物で、行列ができることも多い人気店です。
おすすめメニュー:
- 飛騨牛にぎり寿司
- 飛騨牛コロッケ
- 飛騨牛串焼き
アクセス: さんまち通りの中心部にあり、高山のポタリング中には必ず通るエリアです。店の前には自転車ラックがあります。
ポタリングポイント: 高山の町並みポタリングで疲れた体に飛騨牛のパワーを補給するのに最適。握り寿司は手軽に食べられるのでサイクリストにも人気です。
6. 蕪水亭 OHAKO(飛騨市)
特徴: 飛騨古川の白壁土蔵が続く町並みにあるカフェ。古民家をリノベーションした空間で、地元の食材を使った料理と自家製スイーツが人気です。
おすすめメニュー:
- 飛騨野菜のカレー
- 五穀米のおにぎりセット
- 手作りプリン
アクセス: 飛騨古川の町並み中心部にあり、瀬戸川に近い場所に位置します。自転車は店の前に置くことができます。
ポタリングポイント: 白壁土蔵街を巡るポタリングの休憩ポイントとして最適。趣のある空間で地元の味を楽しめます。
郡上・下呂エリアグルメスポット
7. そばの平甚(郡上市)
特徴: 水の城下町・郡上八幡にある老舗そば店。清らかな水で打った手打ちそばが評判で、風情ある店内も魅力です。
おすすめメニュー:
- 手打ち田舎そば
- とろろそば
- 郡上みそだれコロッケ
アクセス: 郡上八幡の町中心部にあり、宗祇水や郡上八幡博覧館からも近い便利な場所です。自転車は店の前のスペースに駐輪できます。
ポタリングポイント: 郡上八幡の水めぐりをした後の食事に最適。清らかな水で打ったそばは疲れた体を癒してくれます。
8. 古民家カフェ ICHI MARU ICHI(下呂市)
特徴: レールマウンテンバイク Gattan Go!!の発着駅近くにある古民家カフェ。地元食材を活かした料理と手作りスイーツが魅力です。特に桜のシーズンには限定メニューも登場します。
おすすめメニュー:
- 飛騨豚の柔らかポークライス
- 季節のフルーツパフェ
- 自家製ジンジャーエール
アクセス: 奥飛騨温泉口駅に隣接しており、レールマウンテンバイクを楽しんだ後に立ち寄るのに最適です。自転車も安心して停められるスペースがあります。
ポタリングポイント: 癒しの古民家空間で、サイクリングの疲れを癒すのに最適。オーナー夫妻との会話も楽しめる温かな雰囲気が魅力です。
大垣・揖斐エリアグルメスポット
9. 手打ちうどん朝日屋(大垣市)
特徴: 大垣市内にある人気うどん店。看板メニューの「カツ丼」は、ふわふわの卵とじと食べ応えのあるカツが絶妙なバランスで、サイクリストにも人気です。
おすすめメニュー:
- カツ丼
- 肉汁うどん
- 季節の天ぷらうどん
アクセス: 大垣駅から霞間ヶ渓へ向かうルート上にあり、ポタリングの休憩に最適です。自転車は店舗前のスペースに駐輪できます。
ポタリングポイント: 桜の名所・霞間ヶ渓へのポタリング途中の食事スポットとして人気。エネルギーチャージにぴったりのボリューム満点メニューが揃っています。
10. 養老サイダー(養老町)
特徴: 養老公園内で購入できる、地元の名物飲料「養老サイダー」。レトロな瓶に入った懐かしい風味のサイダーは、暑い日のポタリングの水分補給に最適です。
おすすめメニュー:
- 養老サイダー(オリジナル)
- 養老レモンサイダー(季節限定)
アクセス: 養老公園内の売店で購入できます。養老の滝周辺や養老天命反転地を巡るポタリングのリフレッシュポイントとして最適です。
ポタリングポイント: サイクリングの休憩に、冷えた養老サイダーで喉を潤すのがおすすめ。レトロな雰囲気も楽しめます。
ポタリングとグルメを楽しむためのヒント
- 事前のリサーチを: 人気店は混雑することがあります。営業時間や定休日を事前にチェックしておくと安心です。
- 自転車の管理に注意: 食事中は自転車から目を離さないように、店の前に停められるか、施錠できるかを確認しましょう。
- “食べポタ”計画を: 複数のグルメスポットを巡る「食べポタ」も人気です。例えば「飛騨高山でB級グルメめぐり」や「長良川沿いカフェ巡り」など、テーマを決めて楽しむのもおすすめです。
- 季節限定メニューをチェック: 岐阜県は四季折々の食材が豊富です。春の山菜、夏の鮎、秋の栗、冬の飛騨牛など、季節限定メニューも要チェックです。
- 地元の人におすすめを聞く: 地図に載っていない隠れた名店は、地元の人に聞くのが一番です。観光案内所や休憩所で聞いてみるのもおすすめです。
ポタリングの醍醐味の一つは、地元の美味しいグルメとの出会い。岐阜県には、自転車での小旅行でしか出会えない素敵な店が数多くあります。季節や地域ごとの味を楽しみながら、心と体の両方を満たすポタリングを楽しんでください。
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