自転車でゆく北海道 ポタリング – 絶景コースとグルメスポット総まとめ

北海道は、広大な自然と変化に富んだ景観、そして四季折々の魅力が溢れる自転車旅行者にとって理想的な場所です。まるで絵画のような丘陵地帯、透明度抜群の湖畔、歴史ある街並み、豊かな食文化など、北海道の魅力を自転車でゆっくり巡る「ポタリング」は、近年多くの旅行者に人気を集めています。ポタリングとは競争や速さを求めない、風景や食事を楽しみながらのんびりと自転車で巡る旅のスタイル。北海道の爽やかな風を感じながら、マイペースで景色や観光スポットを楽しむ旅は、忙しい日常を忘れさせてくれる素晴らしい体験となるでしょう。自転車だからこそ見つけられる隠れた絶景や、地元の人との温かい交流、そして北海道ならではの新鮮なグルメも楽しめます。この記事では、北海道でのポタリングの魅力や初心者でも楽しめるコース、エリア別の見どころ、グルメスポット、レンタサイクル情報、季節ごとの楽しみ方まで、北海道ポタリングを満喫するための情報を詳しくご紹介します。

目次

北海道のポタリングとは?初心者でも楽しめるコースは?

北海道でのポタリングは、競争や速さを求めず、美しい景色や観光スポット、グルメを楽しみながらマイペースで自転車を走らせる旅のスタイルです。広大な北海道の魅力を、自動車よりも身近に、徒歩よりも広範囲に感じられるのがポタリングの醍醐味です。そのため近年では、サイクリスト以外の観光客や地元の方にも人気が高まっています。

特に初心者におすすめなのが、美瑛地区のパッチワークの路・パノラマロードコースです。まるで絵画のような丘陵風景が広がり、色とりどりの畑がパッチワークのように連なる絶景を楽しめます。CMやドラマのロケ地にもなった「ケンとメリーの木」や「セブンスターの木」など、写真スポットも点在しています。アップダウンはありますが、多くのレンタサイクル店で電動アシスト自転車が用意されているので、体力に自信がない方でも安心です。

また、札幌近郊の支笏湖湖畔サイクリングコースも初心者におすすめです。日本有数の透明度を誇る支笏湖の湖畔を走るこのコースは、原生林に囲まれた静かで神秘的な雰囲気を味わえます。湖畔道路は比較的平坦な区間が多く、走りやすいのが特徴。湖畔の途中には展望スペースもあり、息をのむような美しい「支笏湖ブルー」を眺めることができます。

道南エリアでは、大沼公園湖畔周遊コースが人気です。秀峰・駒ヶ岳を背景に、大小126の島々が浮かぶ大沼・小沼・じゅんさい沼の湖畔を巡るこのコースは、初心者やファミリーでも気軽に楽しめます。レンタサイクルも豊富で、コースも整備されているので安心して走行できるでしょう。

札幌市内では、彫刻家イサム・ノグチが設計したモエレ沼公園を自転車で巡るコースがおすすめです。広大な敷地に幾何学的な山や噴水、遊具などが配置された公園内は、自転車での移動が快適で、アートと自然が融合した独特の景観を楽しめます。

これらのコースはいずれも、初心者でも無理なく楽しめるように整備されており、景色の良さや立ち寄りスポットの充実度も高いのが特徴です。北海道の爽やかな風を感じながら、自分のペースで走れるのがポタリングの魅力なので、無理せず休憩を取りながら、風景や地元グルメを満喫してください。

北海道のエリア別おすすめポタリングスポットは?

北海道は地域によって全く異なる景観や魅力を持っており、ポタリングで楽しめるスポットも各エリアで特色があります。エリア別のおすすめポタリングスポットをご紹介します。

道央エリアは、北海道の中心部に位置し、札幌を中核とした都市機能と美しい自然が共存する地域です。札幌市内ではシェアサイクル「ポロクル」を利用すれば、都心部の50か所以上に点在するポート間を自由に移動できるため、市内観光に最適です。また、札幌市内とは思えないほど豊かな自然に囲まれた定山渓では、電動アシスト付き自転車をレンタルして定山渓ダムや八剣山エリアまで快適にサイクリングを楽しめます。小樽では、運河沿いや旧手宮線跡地を走るレトロな雰囲気のポタリングが魅力。JR小樽駅近くのレンタサイクル施設では、坂道に強い電動アシスト付きや3段変速機付きなど種類も豊富に揃っています。

道南エリアは、北海道の南部に位置し、函館をはじめとする歴史ある街並みと美しい自然景観が楽しめる地域です。道南を代表する景勝地・大沼公園の湖畔には約14kmの周遊道路があり、自転車で一周するのにおすすめのコース。電動アシスト付き自転車やマウンテンバイクのほか、二人乗りのタンデム自転車や子供用自転車も用意されているので、家族連れにもぴったりです。美しい坂の街として知られる函館では、電動アシスト付きのレンタサイクル「はこりん♪」を利用すれば、急な坂でもすいすい上れて市内の観光地を効率よく巡ることができます。

道北エリアは、オホーツク海と日本海に挟まれた北海道北部の地域で、雄大な山々や美しい畑の風景が広がります。富良野・美瑛地区では、パッチワークの丘やラベンダー畑など、美しい景色の中を駆け抜ける爽快感を味わえます。富良野周辺の6市町村にまたがるサイクリングロードは、一度は走ってみたいコース。旭川ではJR駅向かいの観光物産情報センターで自転車を借りたら、忠別川沿いに整備されたサイクリングロードへ。大雪山連峰や十勝岳連峰の雄大な風景を望みながらのポタリングが楽しめます。

道東エリアでは、網走湖や濤沸湖(とうふつこ)の周辺を走るコースがおすすめです。雄大なオホーツクの自然、湖と海の景色、そして時期によっては流氷も見られる魅力的なエリア。濤沸湖はラムサール条約登録湿地で、野鳥の宝庫でもあります。また、「支笏湖ブルー」と呼ばれる独特の青い湖水が美しい支笏湖畔のポタリングも人気です。道東を代表する景勝地・知床では、世界自然遺産に登録された雄大な自然の中を、自転車で駆け抜ける贅沢な時間を過ごせます。

それぞれのエリアには特色ある風景や観光スポットがあり、何度訪れても新しい発見があるのが北海道ポタリングの魅力です。初めての方は道央や道南の整備されたコースから始めて、慣れてきたら道北や道東の雄大な自然の中を走るコースにチャレンジしてみるのもおすすめです。

北海道ポタリングで絶対に押さえておきたいグルメスポットは?

北海道ポタリングの大きな楽しみの一つが、走行中に立ち寄るグルメスポットです。自転車で走った後に味わう北海道の新鮮な食材を使った料理やスイーツは格別の美味しさです。エリア別におすすめのグルメスポットをご紹介します。

美瑛・富良野エリアでは、「美瑛選果」が外せないスポットです。美瑛産の新鮮な野菜や加工品、ソフトクリームなどが楽しめるほか、レストランも併設されています。また、「ファームズ千代田 ふれあい牧場」では牧場自家製のソーセージやジャージー牛のソフトクリームが味わえます。「あるうのぱいん」という美瑛産小麦を使ったパン屋さんもあり、カフェスペースでひと休みできます。富良野周辺ではラベンダーを練りこんだラベンダーソフトクリームが人気で、全観光客に愛される定番グルメとなっています。

支笏湖エリアでは、支笏湖温泉商店街で「寿」のヒメマス料理や「水の謌」のスイーツがおすすめです。支笏湖で獲れるヒメマスは身が引き締まっていて美味と評判。「レイクサイドヴィラ翠明閣 カフェ アウル」では湖を眺めながら軽食やスイーツを楽しめます。

大沼公園エリアでは、「沼の家」の名物「大沼だんご」が必食です。みたらしとあん、ごまの2種類があり、地元で親しまれています。「ターブル・ドゥ・リバージュ」は湖畔に佇むレストランで、ランチやアップルパイが人気。「山川牧場自然牛乳」では新鮮な牛乳やソフトクリームが味わえます。

札幌モエレ沼公園では、ガラスのピラミッド “HIDAMARI” 内にあるフレンチレストラン「ランファン・キ・レーヴ(L’enfant qui rêve)」や、テイクアウトコーナー「パニエ(Panier)」で軽食やソフトクリームが楽しめます。

網走エリアでは、「道の駅 流氷街道網走」でオホーツクの海の幸を使った食事がおすすめ。「北浜駅 停車場」というオホーツク海に一番近い駅にあるカフェでは流氷カレーなどが有名です。「Rimo(リモ)」では網走産の牛乳を使ったジェラートを味わえます。

北海道は食料自給率全国トップを誇る食材の宝庫です。ウニやホタテ、ホッケといった魚介類から、チーズや牛乳などの酪農製品、さらには豊かな土地を活かした農作物など、様々な食を楽しむことができます。空知地方や美唄、富良野のソフトクリームはあっさりながらもコクがあり旨味が溢れるのが特徴。酪農地帯のチーズを使ったピザやチーズフォンデュ、グラタンやドリアも絶品です。

また、かぼちゃ、トマト、じゃがいもなどの野菜は全国屈指の収穫量を誇り、寒い土地で強く育った野菜は甘くてジューシー。まるでフルーツのような美味しさで、自転車で走った後の栄養補給にもぴったりです。

季節によっても楽しめるグルメが変わるのも北海道の魅力。春は山菜、夏は新鮮野菜とソフトクリーム、秋は収穫の秋を感じる果物や野菜、冬は温かい鍋料理やラーメンなど、四季折々の味覚をポタリングのお供に楽しんでください。

北海道でポタリングを楽しむ際のレンタサイクル情報は?

北海道でポタリングを楽しむ際、自分の自転車を持っていなくても心配ありません。北海道各地には充実したレンタサイクルサービスがあり、初心者から上級者まで幅広いニーズに対応しています。

まず知っておきたいのは、北海道の多くのレンタサイクル店では電動アシスト付き自転車を用意していることです。北海道は平坦な道ばかりではなく、特に丘陵地帯では意外とアップダウンが多いため、電動アシスト付き自転車があると体力に自信のない方や初心者でも安心して楽しめます。美瑛や富良野など、人気のポタリングスポットでは特に電動アシスト自転車の需要が高いので、繁忙期は事前予約をおすすめします。

レンタサイクルを借りられる場所は様々です。観光案内所や道の駅、ホテルやアクティビティ施設、専門のレンタサイクル店などで借りることができます。最近では街中に多くなったシェア型のレンタサイクルもあり、乗り捨ても可能なのでより便利です。

札幌市内では「ポロクル」というシェアサイクルが充実しており、市内の50か所以上のポート(専用駐輪場)で借りて、好きなポートに返却することができます。札幌都心部の観光に非常に便利なシステムです。

小樽では「小樽レンタル自転車きたりん」がJR小樽駅のすぐ近くにあり、坂道に強い電動アシスト付きや3段変速機付きなど種類も豊富です。手荷物も預かってもらえるので身軽にサイクリングが楽しめます。

函館では電動アシスト付きのレンタサイクル「はこりん♪」を利用すれば、坂の多い函館でも快適に観光地を巡ることができます。

美瑛・富良野エリアでは「田園休暇」など複数のサイクリングショップでレンタルが可能。特にこのエリアは人気が高いので、繁忙期は事前予約がおすすめです。

大沼公園では、湖畔に電動アシスト付き自転車やマウンテンバイクのほか、二人乗りのタンデム自転車や子供用自転車もあるので、家族でのポタリングも楽しめます。

網走や知床など道東エリアでも充実したレンタサイクルサービスがあり、オホーツクの雄大な自然を自転車で巡ることができます。知床には本格的なロードバイクとMTBがあり、ネイチャーガイドが案内するオフロードツアーやダウンヒルツアーも人気です。

レンタサイクルの料金は地域や自転車のタイプによって異なりますが、一般的に2時間で1,000円前後、1日で2,000円〜3,000円程度が相場です。電動アシスト付き自転車は少し割高になる傾向があります。

また、多くのレンタサイクル店では、ヘルメットや鍵、パンク修理キットなどの基本装備も貸し出しています。中には、おすすめコースの地図やガイドブックを無料で提供している場所もあるので、事前に確認しておくとよいでしょう。

初めて訪れる地域でのポタリングなら、地元のレンタサイクル店で情報収集するのがおすすめです。地元ならではの穴場スポットや、その日の天候に合わせたベストなコース選びなど、貴重なアドバイスをもらえることがあります。

北海道のポタリングで知っておくべき季節別のポイントとは?

北海道の四季は鮮明で、季節によって景色も気候も大きく変わります。ポタリングを楽しむ際も、季節に応じた準備や注意点があるので、シーズン別のポイントを押さえておきましょう。

春(4月〜5月)のポタリングは、雪解けと新緑の季節です。5月中旬以降が本格的なポタリングシーズンの始まりで、この時期は人混みも少なく快適に走れます。美瑛や富良野の丘陵地帯では新緑が美しく、畑に新芽が出始める様子を見ることができます。ただし、朝晩はまだ冷え込むことがあるため、重ね着できる服装を準備し、防寒対策も忘れないようにしましょう。道東や道北の一部地域では5月でも残雪があるコースもあるので、事前に道路状況を確認することをおすすめします。春は天候が変わりやすいため、雨具も必携です。

夏(6月〜8月)は北海道ポタリングのベストシーズンです。美瑛では7月上旬から中旬にかけてジャガイモの花が咲き、一面白い花畑となります。富良野では7月がラベンダーの見頃で、紫色の絨毯のような景色を楽しめます。真夏の北海道は本州ほど暑くなく、湿度も低いため走りやすい気候ですが、日差しは強いので日焼け対策は必須です。帽子やサングラス、日焼け止めクリームを忘れずに持参しましょう。また、夏は観光のハイシーズンなので、人気コースは混雑することがあります。早朝スタートで混雑を避けるなどの工夫をするとよいでしょう。夏の北海道は日が長いので、ポタリングを楽しめる時間も長くなります。

秋(9月〜10月)は紅葉と収穫の季節です。大沼公園や定山渓など、紅葉スポットは絶景となります。美瑛や富良野では収穫前の畑が黄金色に輝き、秋ならではの風景を楽しめます。この時期は朝晩の寒暖差が大きくなるので、重ね着できる服装が適しています。10月下旬になると初雪が降る地域もあるので、天候や道路状況をこまめにチェックすることが大切です。秋は台風の影響で大雨になることもあるため、防水対策も念入りに行いましょう。一方で、夏のハイシーズンに比べて観光客が減るので、比較的空いた道でポタリングを楽しめるのも秋の魅力です。

冬(11月〜3月)の北海道は雪に覆われ、ほとんどの地域でポタリングには適さない季節となります。ただし、一部の地域では「ファットバイク」という太いタイヤの自転車で雪上を走る特別なツアーも開催されています。冬のポタリングは専門的な装備と経験が必要なので、初心者には推奨されません。この時期に北海道を訪れる場合は、室内のサイクリングジムを利用するか、スキーやスノーボードなど他のウィンタースポーツを楽しむのがおすすめです。

季節を問わず共通して言えるのは、北海道の天候は変わりやすいということ。どの季節でも雨具や防寒着などの備えは必須です。また、地域によっては携帯電話の電波が届かない場所もあるので、緊急時の連絡手段や地図アプリのオフライン機能などを確認しておくとより安心です。

北海道の四季折々の美しさを自転車で巡るポタリングは、それぞれの季節に違った魅力があります。季節に合わせた準備をしっかりと整えて、安全で楽しいポタリングを楽しんでください。

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